Category長編「Vanishing point」(完) 1/4

Vanishing point(あとがき)

 長々と連載してきました「消失点」(Vanishing point)、最終回が長すぎて「あとがき」を書くスペースがなくなりまして、まさかのあとがき単独記事となりました。たぶん丸3ヶ月近くかけて書いてきたと思います、拙宅最長にして最大の難敵(爆)「求婚編」でした。一時期は「ルミからプロポーズ?」と思い描いた時期もありましたが、かなり初めのころから、いやでもここはやはり全国3千万人(推定)のベバ妄想乙女のためにもカン...

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Vanishing point(15)《終》

   「・・・トゥ・ルミ。―――おまえのこれから将来(さき)の人生を、私の―――妻として・・・私とともに生きてくれるか・・・?」  Vanishing point(15)《終》      vanishing point=消失点  トゥ・ルミは。今まさに、これまで焦がれ続けた相手から未来への約束を提示された、このヴァイオリニストは。まるで補聴器の調子がおかしくなったとでも言うように、無意識のうちに片手で自分の耳を確かめる仕草をした。今の...

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Vanishing point(14)

 首都ソウルの拠点病院のひとつだけあって、広々とした病院の敷地内には小高い丘やその周囲をめぐる遊歩道までもが設けられ、入院患者や見舞いの人々が、青々とした芝の中を通る歩道をゆったりとそぞろ歩いていた。夏の日差しが本格的になる前に―――と、午前中のこの時間帯の散歩を楽しんでいるのであろう。実際、きれいに刈られた植え込みは目に沁みるような鮮やかな緑に輝き、人々の腰の高さには青い濃淡のアジサイが大きく丸い...

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Vanishing point(13)

 翌日も、乾いた風が頬を撫でるほどに吹く、すっきりとした青空の広がる朝であった。カン・マエはほとんど一睡もしないままにその朝を迎え、軽い朝食を摂って身支度を整えるとひとりホテルを出た。今朝は弟子には連絡をしていない。おそらく昨夜はトゥ・ルミの入院の件で、だいぶ遅くまで動き回っていたのであろうと推察できた。車寄せからタクシーに乗り込んで、行き先を告げる。マエストロを乗せた車は静かにすべり出した。Vani...

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Vanishing point(12)

病室の照明はぎりぎりまで落とされていて、今、この場で明るい光を放つのは、ベッドの脇の医療機器ボードの上に据えられた小さな灯りだけである。透明感のある淡く白いその光は、薄いブルーの入院服を着たルミの首すじや鎖骨をいつもより細く感じさせるほどに浮かび上がらせていた。ベッドの横に立ったままでルミの手をとり、その腕の包帯に目を留めていたカン・マエはぎこちない動きでその手をそっと解いた。支えを失って、彼女の...

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About this site
韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」(ベバ)に感染し、勢い余って二次創作・二次小説(SS)に進んでしまいました。 妄想では続編も含めてひたすらカン・マエとルミの恋愛面のみ描きます。
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韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」に感染し、期間限定でカン・マエ万歳な妄想(二次創作)を綴っていきたいと、突如ブログを立ち上げた猪突猛進型主婦。
恋をしなくても生きていけるけど、恋愛要素がないと生きていけない。