Category最終話「幸福の情景」(完) 1/2

幸福の情景(あとがき)

  いったい何故日本公演なんだ!?いったい何故日本で「全員集合」なんだ!?いい加減にもほどがある!と嵐のような非難をいただきそうですが。わたくし、どーーしても、ど・お・し・て・も!!!ルミに浴衣を着せたかったんです!彼女はきっと浴衣が似合います!考えただけでドキドキします(私が)。あの細くてすらりと長いくびすじを惜しげもなく際立たせてほしい。で、髪をゆるくアップにして後れ毛を揺らしてほしい。で、カ...

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幸福の情景(6)《終》

 ガラス細工ほどに繊細な、ごく細い月が純金の鎖に似た輝きで中天にある。まるで、限りなく漆黒に近い濃藍色をした夜のとばりに親指の爪で一ヵ所だけ切り込みを入れて、向こう側から光を当てたかのようだ。新月と言っていい。おかげで、無数の星々が存分にその煌めきを放って満天を覆っていた。ときに、細く小さく、無音のままに星が流れた。先ほどまでの間断無い笑い声の立ち上る時間、20人ほどの団員たちと賑やかに過ごす時間は...

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幸福の情景(5)

  いまや濃藍の空気にとっぷりと暮れた晩夏の夜の庭園は、ところどころの灯篭とテーブルの上のランプの灯火だけが柑子色に浮かぶばかりとなった。稜線すらも夜の闇に溶けて見えなくなった山々が取り囲むその一帯に、しかし久方ぶりにそろう彼らはあくまで陽気に賑やかに、喧騒じみてそのひと時を過ごしていた。誰が持ち込んだものやら、数人が手持ち花火なども始めて、あたりは火の粉でまるく明るく照らされ、きゃあきゃあと笑い...

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幸福の情景(4)

 「ただね・・・」と、ヒヨンは少しばかり遠い目をして我が甥カン・ゴヌと、ほかならぬトゥ・ルミが今まさににこやかに話し込んでいる姿を見やってから続けた。「ただ、ある時ふと思ったんです。私はずっとゴヌの立場で考えていたけれど、では、ルミちゃんと・・・先生の立場だったらどうだろう、って」...

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幸福の情景(3)

 その時、つい今しがたとは違う種類の歓声が、今度は本館に通じる枝折り戸の方から沸いて、彼らの視線と意識がぐるりとそちらへめぐった。そこにはいつもの陽気で賑々しいオーケストラの女性団員数人が、しかしいつもとは違う装いでずらりと並んでいた。すなわち日本ならではの夏の装い、浴衣、である。寝着として旅館に備え付けてあるようなものではもちろんない。夏の祭礼や花火大会で見かけるようないわゆる伝統たる和服として...

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About this site
韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」(ベバ)に感染し、勢い余って二次創作・二次小説(SS)に進んでしまいました。 妄想では続編も含めてひたすらカン・マエとルミの恋愛面のみ描きます。
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韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」に感染し、期間限定でカン・マエ万歳な妄想(二次創作)を綴っていきたいと、突如ブログを立ち上げた猪突猛進型主婦。
恋をしなくても生きていけるけど、恋愛要素がないと生きていけない。