Category中編「miss you」(完) 1/2

miss you(+α)

 《あとがき》いきなり「あとがき」からかっ!と鋭いツッコミ入りそうですが、いやどうしても今回、(了)のあとにあとがきを書く勇気が出なかったのです。はい。”miss you”は、ウィーンでの再会から2ヵ月後のミュンヘンでの話でした。ええ、有り体に言えば、嬉し恥ずかし初めてのお泊り、の話です。お目付け役(お姉ちゃん)がいるにもかかわらず、少々強引でしたでしょうか?でも、そうそう何度もヨーロッパまでは来られないで...

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miss you(5)《終》

彼は、何か感情の塊を飲み込むに似て、息を詰めてルミの淡いラベンダー色のアンサンブルの背中を見つめた。肩の下まで伸びたまっすぐな栗色の髪が淡い照明を映しつつ、彼女の肩に合わせて震える。その背中にかける言葉を選んで、さらにためらって、そして結局、彼は何も言わないままだった。部屋に流れるエチュードは、いつしか性急な旋律で高音へと移っている。ここにオーケストラがあるならば、いくらでも情感を込めて音を紡ぎ気...

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miss you(4)

   2人の言葉が途切れ、同時にノクターンの最後の一音がかき消えて、室内に、沈黙が落ちた。「―――――・・・」「・・・・・・・・」たった数秒の空白だった。けれども、重なったままの視線に、なにか小さな熱がともったような気がする、そんな無音の数秒だった。 miss you (4)...

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miss you(3)

  いかにも苦く言葉を途切らせたまま、またスコアを開いて素知らぬ調子でページを繰るカン・マエの隣に。―――そっと。コーヒーカップを両手で包むようにして持ちながらトゥ・ルミが腰を下ろし、それから少し唇をすぼめて照れを交えた笑顔を頬に浮かべつつ、彼に寄り添うようにしてきた。miss you (3)  ...

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miss you(2)

 だから、彼がトゥ・ルミの姉と初めて顔を合わせたのは、彼がシューベルトのシンフォニーを振った翌日の夕刻、姉妹が宿泊するミュンヘン中心部のホテルのラウンジであった。「初めまして、トゥ・ミナです」と、目尻を下げる表情はさすが姉妹で、ルミのそれとよく似ている。ただしルミ本人は、姉の横で例によってへらりとした笑みを浮かべて2ヶ月ぶりに会うカン・マエに向き合っているのだが。彼女のことだから公衆の面前であろう...

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About this site
韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」(ベバ)に感染し、勢い余って二次創作・二次小説(SS)に進んでしまいました。 妄想では続編も含めてひたすらカン・マエとルミの恋愛面のみ描きます。
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韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」に感染し、期間限定でカン・マエ万歳な妄想(二次創作)を綴っていきたいと、突如ブログを立ち上げた猪突猛進型主婦。
恋をしなくても生きていけるけど、恋愛要素がないと生きていけない。